清掃………週1回程度
内検………月2回程度
分蜂………なし
給餌………適宜
採蜜………不適
暦の上で春とはいえ、八ヶ岳南麓はまだ「春は名のみの風の寒さや ♫」の歌のように寒い日が続きます。また30センチにもなる雪が降ることもあります。
本格的な活動期を前に、巣箱の清掃や内部点検をしっかりと行い、養蜂環境の整備をしましょう。山野草の開花期に合わせ、子育てを始める時期でもあり、通いバチの花粉の持ち込み(子育てが活発化したこと)を確認し、身近に開花する花々を観察・記録しましょう。
元気のないミツバチ群へは、花蜜を採取するまでのつなぎの給餌が必要です。
また、天然バチの捕捉や自群の分蜂時の捕集用に、ミツバチを誘引するキンリョウヘンランの外気順応も必要な時期となります。中旬〜下旬頃に外気温を見定め(それぞれの地域の気候をよく考えて判断)、越冬用の保温材を取り払い、通常の状態に戻しましょう。
★管理のポイント
(1)巣箱の設置場所について
日本ミツバチの性質は穏やかですが、養蜂・飼育が難しいとされており、西洋ミツバチに比べ養蜂規模も小さく、農業畜産部門の研究の主たる対象とはなりにくそうです。
養蜂の失敗例は巣箱の設置環境によることが大きな原因の一つで、夏の暑さ、冬の寒さにも十分配慮するなど、巣箱の設置環境に注意を払うようにしましょう。
(2)巣箱設置に適した場所(個人の庭先養蜂を前提として)
- 年間を通して巣箱前面が藪にならずに開けていて、できるだけ気温変化の少ない場所。
- 樹木の緑陰や家の陰など、直接日光を受けない場所。
- 低地や湿地を避けて、それなりの通風性がある比較的乾燥した場所。
- 騒音や震動がない場所。
- 臭気、野焼きやゴミ焼きの煙が流れ込まない場所。
- 車や人の出入りが少ない場所。
- 冬場の北・北西風を直接受けない場所。
- 夏場の朝日や西日を直接受けない場所。
(3)巣箱を設置する際の注意点
- 地面から30センチほど高くし(コンテナなどを置く)雨の飛沫が巣箱に当たるのを避ける。
- 巣箱は風などで揺れないように固定すること。
- 巣箱の屋根に乗せる雨避けのトタン板等が風で震動しないように固定すること。
なお、飼育巣箱の良い設置環境だけでは良い分蜂環境とは言えません。
分蜂環境は分蜂群の取り込みをまず考えておく必要があります。そのため分蜂時の止まり木として巣箱周辺に極端な高木がなく、枝振りの良い木肌の粗い樹木(サクラ・ウメ等)の植え込みのあるような場所が適しています。一般に飼育環境も分蜂環境もすべて好条件に恵まれた場所は簡単には入手しにくいものです。
この時期に蜂場周辺に待ち台を設置をして分蜂に備えるようにしましょう。
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