【養蜂作業ノート】5月 分蜂盛期1

養蜂作業ノート
養蜂作業ノート

清掃………週1回程度

内検………週1回程度

分蜂………最盛期

給餌………状態・勢力をみて適宜

採蜜………不適

5月に入りますと、八ヶ岳南麓では爛漫の春、分蜂盛期を迎えます。養蜂群の分蜂兆候の観察や、散策途中での周辺樹木へのミツバチ群の蜂球形成を五感を駆使して「ミツバチ眼」で探してみましょう。天然バチが捕捉できるかもしれません。
ミツバチの手当てを養蜂経験者にお願いする場合は、供給者の負担を考慮し、十分な連携と対応ができるようにしましょう。また、分蜂の始まる前に、巣箱作りやハチマイッターの購入等、事前の準備を確実に済ませておきましょう。

★管理のポイント

(1)分蜂群の捕集

その年の気象条件や蜂場の環境、また飼育群の大きさやコンディションにもよりますが、八ヶ岳南麓では、一般的に分蜂の時期は4月から6月までとなります。
会員からの情報や養蜂中の巣箱の内部観察、ミツバチたちの飛翔行動から、おおよその分蜂時期の見当をつけたりしていますが、ある日突然のことや留守時のこともあり、3ヶ月間ほどの分蜂待機は、かなりの負担と言えましょう。

(2)一般的な分蜂の経過

  1. 私たちの過去の事例では、分蜂は穏やかで暖かな日の午前8時頃から午後3時頃までに起こることが多いようです
  2. 巣箱周辺で不規則に飛び回っていた状態から、上空で円を描き飛翔し始めたら分蜂です。しっかりと行方を観察しましょう。
  3. 分蜂群は、多くの場合、適当な止まり木や待ち台に一旦まとまって止まります。止まり木等のない庭先では、近くの高木の枝や家の軒下などに、止まることもあります。
  4. 止まり木等に集結したミツバチ群は20分ほどで蜂球を形成していきます。
  5. 行く先の決まっている群れは早い場合は20〜30分で飛び立ちますが、通常は数時間留まって偵察バチの情報を待って行動を決め、飛び立ちます。長い場合は2〜3日留まっていることもあります。
  6. 止まり木等に集まり形作られていく蜂球をしっかりと観察しながら、止まり木の下の作業環境(足場の状態等)をよく確認し、あわてず手際よく捕集用具を準備しましょう。
  7. 止まり木等に集結したミツバチは蜂球を形成し、やがて全てのミツバチが上を向いて整列します。
  8. 上を向いて揃い終えた頃が蜂球の取り込み時です。ゆっくり落ち着いて作業をすれば分蜂群は必ず、首尾良く、あなたの飼育群となってくれることでしょう。

なお、高木での蜂球取り込みは作業が困難で危険でもありますので無理はせずに熟練者に取り込みの支援を求めましょう。

(3)変則的な分蜂

通常の分蜂と変わらない状態で上空を飛翔し近くの止まり木に蜂球を作り、歓喜して取り込んでみると翌日には女王バチ不在で巣箱は「モヌケの殻」、という悲哀もあります。(疑似分蜂)
また分蜂を観察していると他の巣箱の群れと合体したりする場合もあります。この場合も経験則として逃去してしまう場合が多いように思います。
しかしながら、通常の分蜂群か否かの判断は難しく徒労に終わる場合もありますが、やはり分蜂群に対してはその都度しっかり対応するのが捕集の失敗を防ぎ、群れを維持管理するためには必要なことです。
また、逆にこの時期は上記のような経緯で取り込みできなかったミツバチ群が飛来する可能性もあります。周辺のカキやウメなどの木肌の粗い樹木を探しながら蜂球を見つけて歩くのも楽しいかもしれません。

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