【養蜂作業ノート】6月 分蜂盛期2

養蜂作業ノート
養蜂作業ノート

清掃………週1回程度

内検………週1回程度

分蜂………最盛期

給餌………状態・勢力をみて適宜

採蜜………不適

6月も5月に引き続き分蜂の盛期です。一つの群れから1シーズンに2~3回の分蜂が期待できます。雄バチの飛翔状態や巣箱の内検による王台(女王バチの巣房)の確認などでしっかりと分蜂時期を見極めましょう。5月同様6月も分蜂待機は続きます。5月、6月はキンリョウヘンランがあると心強いので3月に準備を始めた段階から余裕のある方は温度管理や水やり加減等で開花時期の調整をお薦めいたします。蘭栽培に不慣れな方は、キンリョウヘンランのミツバチ誘引物質を化学合成した代替品を利用する方法もあります。

★管理のポイント

(1)分蜂を考える

春の桜の開花以降から始まるミツバチの壮大な円舞。穏やかな暖かい日、特に雨上がりの晴れ間に、私たちはその自然の息吹を体感することができるかもしれません。

(2)分蜂が起こる要因

  1. ミツバチの個体数や巣内の巣板の増加により更なる造営が限界に近くなると、社会性昆虫としての種族保存に有利な行動として分蜂が選択される。
  2. また、上記のような自然巣や飼育巣箱内の飽和状態や過剰密度から、女王蜂の発散するフェロモンが巣内全体に行き渡らない、等々。

強勢群においては短い間隔で次々と分蜂が繰り返され、採蜜や場合によっては群れの存続も危機的状況になる場合があります。私たちの会では「自然との共生」という会の創設時からの理念もあり、また、会員の蜂群への需要をまかなうためにも、これまであまり積極的に分蜂の抑制には取り組んできませんでした。
分蜂を繰り返しますと飼育群は増え続ける反面、分蜂により元巣の勢力が弱まり、スムシ等の害虫や天敵に襲われ逃去が発生するリスクも高くなると考えられます。健全な群れの維持を考えて、分蜂のコントロールをするための「王台の除去」について少し触れておくことにします。

(3)王台の除去

分蜂は一般的には一つの群れから1シーズンに2〜3群が巣分かれをしますが、まれには4〜5群も分かれていくことがあります。分蜂してゆく1群のハチの数は元の群れの50%ほどとされていますので、短い間隔で生じた第3分蜂後の残された勢力は元の群れの25%ほどになり、以降の養蜂活動に影響が出るようになりますので分蜂を抑制するために王台の除去は効果的な手段です。
分蜂は次のような経過をたどりますので、王台の除去をする場合はしっかり観察して無王群が生じないようにしましょう。

  • 巣箱周りを出入りし飛翔する雄バチが見られるようになると分蜂の兆候です。
  • 第一分蜂として元群の女王バチ(交尾済み)が去って1〜3日後に新女王が羽化してきます。

王台の削除の手順は以下の通りです。

  1. 上記の状況が現れたら巣箱内を点検し、巣板下部から突き出ている王台の数を確認し、不必要な王台を取り払うか、針などで女王バチの幼虫を突き刺します。
    この際、群勢が強ければ、巣房・巣板がハチに覆われていて見えにくいので、竹筒やホースなどを使って風を送ってハチを移動させて確認します。
  2. 複数の新女王バチが同時に羽化しても、女王バチ同士の争いで通常は一匹になります。
  3. 通常は日数をあけて羽化する場合が多いので複数の新女王の共存は極めて稀です。

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